沙漠の魔王

 

  沙漠の魔王

「沙漠の魔王」は福島鉄次作・画による長編絵物語で1949年4月〜1956年11月まで月刊漫画雑誌「冒険王」

に連載され終戦直後の多くの少年の心をつかみ人気を博しました。


物語は異境の地で、ポップ少年と探検家の父・姉の3人が、香木を焚くと香炉から飛び出す巨大な魔王とともに

さまざまな困難を乗り越え解決していくと云う冒険活劇です。

異国情緒あふれる世界観と大胆な構図や当時としては珍しい四色カラー(赤・青・黄・緑)の鮮やかさも手伝って

それまでにない新鮮な描写が当時の少年達の心を捉えました。

また、劇中に登場する兵器や機械デザインも特徴的で、後にアニメ映画監督となる宮崎駿監督も、少年時代熱中

した一人で、その後監督となった作品に影響を与えたと云われています。


福島鉄次は、戦前は軍事物や時代物の挿絵を描いていましたが、戦後、進駐軍が持ち込んだアメリカンコミック

に感銘を受け、ストーリー展開や鮮やかな配色そして立体的な描写などを参考にしようと考えていました。

そうした折、戦前から福島鉄次の作品に携わり一緒に仕事をしていた出版社の編集者秋田貞夫が独立し秋田書

店を立ち上げてましたが戦後の雑誌創刊ラッシュでライバルが非常に多い状況に試行錯誤した結果、児童向け

雑誌への進出を考え、何とか人気作品を創り出そうと親交のあった福島鉄次にアメリカンコミックのような絵物語

を描くよう依頼しました。

それが福島鉄次にとっても新たな起点となり、創刊した「冒険王」に掲載した「沙漠の魔王」は大ヒットし看板作品

となりました。

発表当初はそれまでにない独特な描写に低俗な作品と見られました。また、福島鉄次自身もこの連載が長く続く

とは思いもよりませんでしたが「沙漠の魔王」は大ヒットし、その後の秋田書店の基礎を築いたと云われています。


尚、秋田書店創立65周年特別企画として「沙漠の魔王」完全復刻版2012年8月10日に発売されたときは、

新聞や雑誌などに取り上げられマスコミの間で話題となりました。

現在、秋田書店は「週刊少年チャンピオン」などを発刊し、年商180億円、従業員150名の企業となってます。


 

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