ナショナルキッド

 

  ナショナルキッド

東映が特撮に意欲を燃やして製作したテレビ初のSFヒーロー作品で、1960年8月〜1961年4月

までNETテレビ(現 テレビ朝日)が第1部から第4部の全39回を放映しました。

当時のテレビ作品としては、めずらしい合成に力をいれ、製作費用も当時一般的に安く仕上げた時代に、

スポンサーの松下電器は、高額な製作費をキッドの飛行シーンや円盤など本格的合成特撮にあてたと言わ

れ、ハイレベルな作品に仕上がっています。


主演は、第1部・第2部のナショナルキッド・旗 竜作を小嶋一郎が、第3部・第4部を巽 秀太郎が演じ

ており、また、小畑尚子役として太地喜和子(当時は志村妙子)が全4部に出演しています。上記の掲載

めんこには、当時の若々しい高校2年生の太地喜和子が写っています。

(「ナショナルキッド」の後番組は「少年ケニヤ」)


出演、小嶋一郎、巽 秀太郎、志村妙子(太地喜和子)、斎藤紫香、福島 卓、木村英世、清水 徹、岡

田みどり、原 一夫、亀井 明、河合絃司、岩上 瑛、山口 勇、本間千代子、八名信夫、林  宏、室

田日出男、南川 直、高石義明、北山達也、牧野狂介、小金井秀春、大野広高、秋月 竜、笠原 昇、

渡辺淳二、曙 三四郎、佐藤利夫、小森甲二、片山 滉、松山浩二、阿久津克子、潮 健児、久保春ニ、

清水 徹、他。


第1部・第2部のナショナルキッドを演じていた小嶋一郎が第2部を最後に降板したのは、小池淳監督の

意向で、その理由は「こういう番組の主人公は健康的じゃなくてはいけないでしょ。そういった点で小嶋

くんはイメージに合わなかったからです」と後年、説明しています。

そして、第3部からのナショナルキッドは、第2部でアナウンサー役を演じていた巽 秀太郎(たつみ ひ

でたろう)を抜擢しました。

小嶋一郎は、1958年に東映の第5期ニューフェイスとして入社。同期には、梅宮辰夫・八代万智子な

どがいます。小嶋一郎の映画出演は1960年に9作品に出演していますが、すべてチンピラ役などの端

役でした。この「ナショナルキッド」は同年に出演した唯一のテレビ作品で、その後は、映画の出演回数

も減って行き、1963年の映画作品一本(青年役)を最後にスクリーンから姿を消しました。

映画での出演はすべて端役で、この「ナショナルキッド」はテレビ作品ではありましたが小嶋一郎の最初

で最後の主演作品だったようです。

なお、上記掲載の実写めんこは、すべて小嶋一郎主演のめんこで、巽 秀太郎主演のめんこは作られなか

ったようです。


ナショナルキッドは、アンドロメダ星雲から地球の平和を守るためにやってきた正義の宇宙人で、自由に

飛行でき、壁などの障害物もすり抜け、深海も潜れ、身体は弾丸をも跳ね返すことができるという超人的

能力を持っています。普段は旗 竜作という青年科学者ですが、地球の危機に直面するとナショナルキッ

ドに変身し、エロルヤ光線銃を使って敵をやっつけ大活躍します。


漫画でも、喜瀬川 実、宮川一郎、海野十三それぞれ3名の原作で、一峰大二・画により1960年7月

〜1961年12月まで月刊漫画雑誌「ぼくら」に連載され、また講談社から漫画単行本として第1巻〜

第3巻まで出版されました。

尚、一峰大二による漫画は、それまでに七色仮面(ぼくら)や白馬童子(冒険王)なども手掛けています。

 

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