とんま天狗

 

  とんま天狗

「とんま天狗」は喜劇作家の花登 筐(はなと こばこ)が、鞍馬天狗をモチーフにしたパロディ作品です。

「番頭はんと丁稚どん」で人気を得た大村 崑を主役に迎え、劇場公開生放送で1959年9月〜1960

年12月までのあいだ全69回、読売テレビ制作・日本テレビ系列で放送されました。


大阪の毎日放送の開局が1959年3月1日で、その1週間後に「番頭はんと丁稚どん」が始まりました。

作者は後に「細うで繁盛記」などの人気ドラマを書いた花登 筐で、主演の番頭役は芦屋雁之助、丁稚役が

大村 崑、茶川一郎、芦屋小雁でした。舞台は大阪の船場の薬屋で、しつけに厳しい番頭が丁稚たちをいび

り、中でもドジな崑松役の大村がいびられ、そのたびに「崑ちゃんが可哀想」という同情の投書が増え、

人気が集中し、それまでは、大阪梅田の映画館「北野劇場」の幕間コントの演者に過ぎなかった大村 崑は

この番組出演で一躍人気者となりました。


読売テレビが「番頭はんと丁稚どん」より半年遅れて、大村 崑主演の新たなコメディーを制作したのが

「とんま天狗」で、大村 崑演じる、とんま天狗は名前の通り“とんま”で驚くとメガネがずり落ちるが、

頭巾をかぶり、左手だけの抜刀は凄く格好良く、剣の腕は必殺技を使いなかなかのもので、敵役の珍選組に

芦屋小雁扮する近藤勇造(今度、言うぞ)がいるが腕も弱けりゃ、オツムも弱い。「とんま天狗、御用だ」

と幼児語で騒ぎ立てては天狗に斬られる。その部下の土方大三を雁之助が演じ、ともに毎回とんま天狗に斬

られてしまうが、決して死なないので、とんま天狗は安心して彼らを斬り捨てることができる。


当時はCMも生放送で、大村 崑自身が番組中にスポンサーの大塚製薬のオロナイン軟膏を「姓は尾呂内、

名は楠公」と紹介したのが受けて、大いに流行りました。また、この「とんま天狗」の主演により“崑ちゃ

ん”人気は不動のものとなりました。

 

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