とんま天狗 「とんま天狗」は喜劇作家の花登 筐(はなと こばこ)が、鞍馬天狗をモチーフにしたパロディ作品です。 「番頭はんと丁稚どん」で人気を得た大村 崑を主役に迎え、劇場公開生放送で1959年9月〜1960 年12月までのあいだ全69回、読売テレビ制作・日本テレビ系列で放送されました。
作者は後に「細うで繁盛記」などの人気ドラマを書いた花登 筐で、主演の番頭役は芦屋雁之助、丁稚役が 大村 崑、茶川一郎、芦屋小雁でした。舞台は大阪の船場の薬屋で、しつけに厳しい番頭が丁稚たちをいび り、中でもドジな崑松役の大村がいびられ、そのたびに「崑ちゃんが可哀想」という同情の投書が増え、 人気が集中し、それまでは、大阪梅田の映画館「北野劇場」の幕間コントの演者に過ぎなかった大村 崑は この番組出演で一躍人気者となりました。
「とんま天狗」で、大村 崑演じる、とんま天狗は名前の通り“とんま”で驚くとメガネがずり落ちるが、 頭巾をかぶり、左手だけの抜刀は凄く格好良く、剣の腕は必殺技を使いなかなかのもので、敵役の珍選組に 芦屋小雁扮する近藤勇造(今度、言うぞ)がいるが腕も弱けりゃ、オツムも弱い。「とんま天狗、御用だ」 と幼児語で騒ぎ立てては天狗に斬られる。その部下の土方大三を雁之助が演じ、ともに毎回とんま天狗に斬 られてしまうが、決して死なないので、とんま天狗は安心して彼らを斬り捨てることができる。
名は楠公」と紹介したのが受けて、大いに流行りました。また、この「とんま天狗」の主演により“崑ちゃ ん”人気は不動のものとなりました。 |