少年ケニヤ

 

  少年ケニヤ

「少年ケニヤ」は、1951年から4年間、産業経済新聞(現・産経新聞)に連載され、当時の子供たちに

絶大な人気を得た山川惣治(やまかわ そうじ)による絵物語を原作として、東映テレビプロダクションの

製作により1961年5月〜1962年2月まで第1部〜第4部の全41回がNETテレビ(テレビ朝日)

で放映されました。(提供は松下電器)


かつて、ある独立プロがテレビ映画に企画したこともあったそうですが、何しろアフリカを舞台にしたスケ

ールの大きい内容のものなので、途中で投げ出したと云ういわくつきのもの。東映では1961年4月末ま

でNETテレビで放送していた「ナショナルキッド」の後番組として、当時としては国産テレビ映画では記

録破りの贅沢な製作費用(従来の約2倍)をかけて撮影したそうです。

またアフリカの感じを出すため、現地撮影の実写フィルムをふんだんに用意し、画面構成のためわざわざ特

殊装置を新調したほどで、作品は従来にない素晴らしい出来栄えとなっています。


主役の少年ケニヤこと村上ワタル役は、一般公募1,800人の中から中学二年生の沓名信夫が選ばれ、芸

名を山川ワタルと付けました。これは、原作者の山川惣治の“山川”と役柄の村上ワタルの“ワタル”を合

わせて命名されたそうです。

ケープタウンのダイヤ王の金髪娘ケート役には、元日活女優・日暮里子のひとり娘で中学3年生の関みどり

が登用されました。関みどりは幼稚園のとき劇団東童に入り、12才の小学6年生のときには「少年ジェッ

ト」に出演していたようです。この「少年ケニヤ」の美少女ケイト(アメメ姫)は人気高く、当時の少年達

の憧れの的で主役よりもケイトが出てくるのを心待ちにしていたようです。

また、谷 隼人が中学3年生の夏休みにタリタリ小僧役で出演しています。この時はまだ本名の「岩谷 肇」

で出ており初出演でした。芸能界入りするのは高校2年生のときで日活のニューフェースに合格してからで

した。(掲載めんこには残念ながら谷 隼人「岩谷 肇」が写ってる物はありません)

前作のナショナルキッドではキッド役を演じた巽 秀太郎がミスターXとアッサム探偵役で出ています。

(最下段めんこ左2枚参照)

真理アンヌも中学1年生で女官・ブード役として出ていました。真理アンヌの女優デビューは高校に入って

からで映画やテレビ、雑誌のグラビアなどに出演し、22才の時には深夜のワイドショー「11PM」で5

年間(27才まで)レギュラー・ホステスとして活躍しました。

最下段めんこ右2枚には真理アンヌ(とても13才とは思えませんね)と右端めんこに、その妹2人が写っ

ているようです。真理アンヌは三姉妹の長女でインド人の父と日本人の母の間に生まれました。


出演:村上ワタル(少年ケニヤ)/山川ワタル、ケート(予言者)・アメメ姫/関みどり、ゼガ(マサイ族

元酋長)/岩城力也、グレ・タブール・アーレン/早木史郎、ザッケン(三魔神)・ハッサン/高原秀麿、

村上大介博士(ワタルの父)/中山昭二、ロンダ(マサイ族の少女)/森るみ子、ガルゴ(三魔神)/山口

勇、オンドン(三魔神)/打越正八、センゲ(マサイ族酋長)/三島良二、ロメ(センゲの腹心)/秋山敏

、マサイ族/大久保達也、岡嶋泰次郎、伊藤重利、アッサム探偵・ミスターX/巽秀太郎、アリ/石森武雄

、ヤルスン/志摩栄、トスネ/赤尾静子、エンマ/萩京子、タリタリ/岩谷肇[谷隼人]、女官・ブード/

デヴィ・シェス[真理アンヌ]、ショショ/八代健二、チョウ/豊野弥八郎、チョウの配下/上田有嗣、野

村幸、桑原菊水、バジャー王/三木宏祐、ポンコ/藤江リカ、村上博士夫人/風見章子、他。


物語の舞台は、まだアフリカが西欧列強の植民地だった頃のケニア。日本人のワタル少年は、父の村上博士

と共にウラニウム鉱調査のためケニヤの奥地を調査中、密猟業者に飛行機を撃墜され、父と離れ離れになっ

てしまいます。しかし、一人になったワタルは、その地でマサイ族の大酋長ゼガを危難から救い、悪い呪術

師に利用されていた金髪の美少女ケートを助け出します。

そうして出会った酋長ゼガや少女ケートらとともに、父との再会を求めながらケニヤのうっそうとした密林

や広大な原野を駆け巡り、出あう原住民、猛獣、悪人たちと繰り広げるワタルたちの冒険活劇です。


また、漫画では、同じく山川惣治原作で石川球太・画により小学館の「週刊少年サンデー」に1961年

4月2日発行〜1962年4月1日発行まで1年間連載されました。

山川惣治は、川崎のぼるの劇画「荒野の少年イサム」の原作者でもあります。

           

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