ピロンの秘密

 

  ピロンの秘密

手塚治虫原作のテレビ版で1960年8月〜1961年4月まで、日本テレビが全39話、全234回

(1週6回1話構成)を放映しました。(毎週月〜土曜日、午後6時00分〜6時15分)

また、ピロンの秘密の主題歌の作詞を手塚治虫自身が書いています。

まんがでは、小学館の小学四年生に1960年10月号〜1961年3月号。小学五年生に1961年

4月号〜1961年7月号まで連載されました。


出演:ピロン(カストル星王子)/ニッキー窪田、本郷昭男/遠藤恵一、ミラ(ピロンの護衛アンドロ

イド)/峰 和子、本郷鉄夫/高村俊郎、その他出演者/熊倉一雄、太田芳勝、他。


内容は、カストル星の王子ピロンが、大臣パレスの謀反により星を追われ、女性型護衛アンドロイドの

ミラと共にロケットで地球へ逃れてくる。しかしパレスは追手を地球へ差し向けピロンを殺そうとする

が、鉄男・昭男の兄弟に助けられ、ミラが追手や地上の悪を倒しピロンを守るというものです。そして

カストル星でもパレスの謀反が鎮圧され、ピロンは自分の星に戻って行きます。


掲載メンコの下段左に写っている少年がピロンで、アンドロイドのミラは見ての通り、下段右下に写っ

ている少年が昭男です。

ピロン役のニッキー窪田(ニッキー久保田)は、父が日本人、母フランス人のハーフで「鉄腕アトム」

(実写版)にカール役として出演していたのを認められピロン役に選ばれました。


また昭男役の遠藤恵一は、その後「チャンピオン太」の主役・大東 太に抜擢されています。


ミラ役の峰 和子の旧芸名は峯 和子で、代々木俳優学校専科出身、トニー谷に師事。1958年3月新

東宝に入社。古典バレエを習得。1958年5月公開の新東宝「太陽娘と社長族」に出演し峯 和子と

して女優デビュー。1958年6月公開、新東宝「新日本珍道中 西日本の巻」高島忠夫主演に出演。


1958年6月1日発行の、月刊雑誌「実話と秘録」昭和33年6月特別号では、(新東宝)峯 和子

「初夏の夜のグラマー」とのタイトルでグラビア写真6枚が掲載されています。グラビア写真としては

唯一残されているものと思われ「昭和14年生れの若々しい新星」として紹介されています。


1958年8月公開、新東宝「高島忠夫の坊ぼん罷り通る」に出演。1958年11月公開の、新東宝

「警察官出世パトロール」高島忠夫主演にも出演しました。


1959年2月1日発行の「週刊アサヒ芸能」では、峯 和子の名前で表紙を飾っています。


1960年6月公開、日活映画「男の怒りをぶちまけろ」赤木圭一郎主演では、峰 和子に改名し出演

しました。これまでに出演した映画はすべて端役でしたが、1960年8月〜1961年4月放映の、

このテレビドラマ「ピロンの秘密」で初の準主役を演じました。(当時21歳)


尚、峰 和子が所属していた新東宝は1961年8月にワンマン経営と業績不振により倒産。


翌年の1962年、国映製作配給、関 孝二監督(発案)の成人映画で、女ターザン映画「情欲の谷間」

(群馬県の高中温泉で撮影)に主演し、映画は大ヒットしました。[峰 和子、初の主演]

しかし、この「情欲の谷間」は映倫を通していなかったため、国映の事務所に警察が立ち入り全員逮捕

という事態に陥り一時休業せざるを得なくなったそうです。

ちなみに「ピンク映画」という呼称は、この映画を「内外タイムス」の記者だった村井 実が「おピン

ク映画」と言ったことから、この後「成人映画」を総称して「ピンク映画」と呼ばれるようになったそ

うです。1962年に3本だったピンク映画は、1965年には220本以上となり、70年代初めに

はピンク映画専門の映画館ができ始めるようにまでなりました。


話は戻りますが、その後の峰 和子ですが1964年5月公開の成人映画「女体の死角」片岡 均監督、

轍プロダクション・新星プロダクション製作の白黒ワイド版に主演。[峰 和子、2度目の主演]


そして、1965年6月公開の東宝映画「おれについてこい!」ハナ肇主演の中で、東洋の魔女と呼ば

れた一人、松村勝美役(1964年東京オリンピックでは金メダル。その後は1972年ミュンヘンオ

リンピックで主将として銀メダルを獲得)を熱演したのを最後に女優としての記録は途絶えています。

 

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