宇宙大戦争

 

 宇宙大戦争

東宝得意の特撮映画で1959年12月に劇場公開されました。丘見丈二郎の原作を「檻の中の野郎たち」の

関沢新一が脚色し、本多猪四郎が監督、特技監督は円谷英二。

出演、勝宮一郎/池部 良、白石江津子/安西郷子、岩村幸一/土屋嘉男、安達(宇宙物理学博士)/千田是

也、有明(国際防衛警察警部)/村上冬樹、小暮技師/伊藤久哉、ドクター・インメルマン/ハロルド・コン

ウェイ、他。

「地球防衛軍」に続く東宝のSF作品で、時代は劇場公開の6年後の1965年に設定されています。宇宙

ステーションやナタール星人の円盤、地球側のロケットなどが宇宙空間を舞台に激戦を展開し、その精巧な

デザインと合成技術を駆使した特撮は迫力十分で見ごたえのある作品に仕上がっています。


主演の池部 良は、映画監督に憧れて、立教大学在学中に東宝撮影所のシナリオ研究所の研究生となり、19

41年大学卒業後東宝に入社。監督希望でしたが戦時下の映画制作本数の大幅減少で助監督要員の空きがなく

文芸部に配属となり俳優デビューしました。

翌年の1942年、陸軍に召集され、終戦後の1946年に帰国し東宝に復帰。戦後の青春映画「青い山脈」

に旧制高校生役で主演。この時の池部 良の年齢は33歳であり18歳を演じることに乗り気ではなく渋々引

き受けたそうですが、生徒の役を見事に演じ切り、戦後の自由で開放的な新しい時代を象徴する作品として、

この映画が大ヒットしました。

その後も、青春スターの第一人者として活躍を続けながら演技派俳優としての知名度を上げ、1950年代に

は「坊ちゃん」、「雪国」、「暗夜行路」など数多くの文芸作品に出演し二枚目スターとして確固たる地位を

得ました。( 「青い山脈」参考丸めんこ、下記に掲載。)


この「宇宙大戦争」は、「暗夜行路」が製作上映された同じ年の映画作品で、池部 良の多彩な演技力が垣間

見られる作品となっています。


<ストーリー>東海道線上り特急が鉄橋もろとも空中につり上げられ、破壊されるという怪事件が起った。

これをはじめとして、世界各国ではこの種の事件が次々と発生した。東京の宇宙科学センターに集った世界の

科学者たちによって、地球外の生物が発射する「冷却線」による物体の冷却と無重力化がその原因と判明した

。これに対抗できるのは、まだ発明間もない「熱線砲」だけである。

安達博士、勝宮、岩村両少壮科学者等は、早速宇宙センターで「熱線砲」の実験を公開した。ところが、その

席上アーメッドという某国教授が、急に「熱線砲」を奪おうとした。勝宮の機転でそれが失敗すると、異様な

円盤が現れて教授の肉体を瞬事に融かして去った。後には一片の金属板が残された。脳にこの金属板を移植さ

れ、教授は宇宙人の指令を受けて動いていたのである。魔の手は次に岩村にのび、彼も金属板を移植されてし

まった。一方、月の裏側に基地を作って、地球攻撃を計っているのが明らかになった宇宙人ナタールに対して

地球防衛軍は反攻体制を作った。原子力ロケット・スピップ二機が「熱線砲」を積んで出発した。

安達博士や、勝宮、岩村、勝宮の恋人の科学センターに勤める白石江津子等がそれに乗りこんでいた。

宇宙人の怪電波を受けた岩村の手による妨害をしりぞけ、スピップ一号と二号は、月についた。一行は火口壁

を利用した宇宙人基地に潜入し、苦心のすえその中心部を破壊した。「熱線砲」は「冷却線」に勝ったのであ

る。だが帰途につこうとするとスピップ一号は岩村の手で壊されていた。とび立つ二号機にも宇宙人の攻撃が

迫った。その時、宇宙人基地破壊によって正気にかえった岩村が「熱線砲」で宇宙人を粉砕し、自からも死ん

だ。かくして、地球防衛戦は、地球側の勝利にきしたのである。(ストーリー、goo映画より抜粋)

 

池部 良関連「青い山脈」丸めんこ

 


この丸めんこは、1949年7月公開の東宝映画「青い山脈」の主役・池部 良と共演の杉 葉子が両脇に配置

され、中央には、1950年2月公開の松竹京都映画「栄光への道」の主役・鶴田浩二が写ってます。両者と

も同時期の二枚目スターで、芸能雑誌「平凡」や「明星」の人気ランキングでは1位2位を争っていますが、

やはり一歩先に出ていたのは鶴田浩二で、常に人気ランキングトップで、2位池部 良、3位長谷川一夫とは

大きく引き離しての第1位だったようです。たかがメンコですが、中央に鶴田浩二を配置したのもうなずけま

す。また、合成印刷から、この二人がいかに人気が高く話題性があったかが分かります。それにしても、昭和

20年代の丸めんこは、昭和30年代の丸めんこに比べ可成り綺麗で繊細な作りになってますね。

 

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