新諸国物語 紅孔雀 (映画)

 

新諸国物語 紅孔雀 (T V)

 

  新諸国物語 紅孔雀

「紅孔雀」は、北村寿夫原作の『新諸国物語』の第3作で、NHKラジオドラマとして1954年1月〜

1954年12月までの1年間放送され、当時の子供達の間では人気番組となり話題をさらいました。


映画では東映の製作により、中村錦之助主演で1954年12月と1955年1月の2ヶ月の間に5作品

が劇場公開され、前作の映画「笛吹童子」と同じ俳優陣での製作でしたが、その年の興行成績1位となり、

「笛吹童子」を大幅に上回る大ヒットとなりました。(中村錦之助、当時22才)


映画『新諸国物語 紅孔雀』は、第1編「那智の小天狗」、第2編「呪いの魔笛」、第3編「月の白骨城」

、第4編「剣盲浮寝丸」、完結編「廃墟の秘宝」の全五部作です。


出演、正義の剣士・那智の小四郎/中村錦之助、那智の嘉門/有馬宏治、主水/大友柳太朗、妖術師の信夫

一角/三条雅也、久美/高千穂ひづる、網の長者/吉田義夫、浮寝丸/東千代之介、幾重/西条鮎子、藤内

/高松錦之助、稲/松浦築枝、楓/和田道子、風小僧/山手 弘、黒刀自/毛利菊枝、 麻耶/星美智子、

ローマの聖者/水野浩、弘念和尚/岸井 明、戸がくれ老人/市川百々之助、他。


またテレビでも東映製作、沢村精四郎主演で「新諸国物語 紅孔雀」が1961年8月〜1962年4月ま

で全39回、テレビ朝日で放映され人気を博しました。(沢村精四郎、当時18才)


出演、正義の剣士・那智の小四郎/沢村精四郎(二代目 澤村藤十郎)、小四郎を助ける謎の浪人・五升酒

の主水/八名信夫、妖術師の信夫一角/立松 晃、久美/愛川かおる、その他出演者、滝 千江子、巽 秀

太郎、三木宏祐、白河青峰、清見 淳、ピェール瀬川、曾根秀介、山本 緑、南田 洋、植田貞光、安城百

合子、城所 丘、他。


ときは戦国時代、南紀州の代官・那智の嘉門は昔ローマに使節として赴いたときローマの聖者からアステカ

の秘宝の隠し場所を示す紅孔雀の鍵を授けられた。それを嗅ぎつけた悪党たちが鍵を奪おうと狙ってくる。

神変胡蝶流の二刀を使う那智の嘉門の子、小天狗・那智の小四郎は、五升酒の主水(謎の浪人、実は浪々の

旅を続ける小四郎の兄)や、風の小六(風小僧)などの秘かな助けもあり、元海賊の網の長者や、されこう

べ党の妖術師・信夫一角、悪婆黒刀自などの悪人達に立ち向かう。この物語は紅孔雀の鍵をめぐる攻防を描

いた若き剣士の冒険活劇で、盲目の貴公子・浮寝丸や綱の長者の娘久美(小四郎とは互いに想う仲)も加わ

って波乱万丈の展開で繰り広げられて行きます。


なお、テレビの「紅孔雀」で五升酒の主水役として出演しているのは、現・悪役商会リーダーの八名信夫

(掲載めんこ一番下の左から2枚目写真他)で、プロ野球を辞め俳優となって3年目に出演した作品でした。

八名信夫の俳優になった経緯は、明治大学卒業後、東映フライヤーズにピッチャーとして入団しましたが、

1958年、近鉄との試合中に腰を骨折しプロ生活を断念。その時、親会社の東映の社長の薦めで役者へと

転向しました。1959年、東映のニューフェースとして「遊星王子」の中で、端役の悪役として役者デビ

ュー、「紅孔雀」はその2年後の26才の時の準主役でした。

八名信夫(本名)が東映フライヤーズ以外のチームに入団していたら、俳優・八名信夫も悪役商会の存在も有

り得なかったかもしれませんね。「もしあの人と出会っていなかったら?もしこの仕事とめぐり逢うことが

なかったら?人生180度違った方向に進んでいたかもしれません。人生とは、不思議なものです。」

(ホームページ『八名信夫と悪役商会』より抜粋)


「紅孔雀」は、絵物語としても北村寿夫・作、佐藤広善・絵で月刊漫画雑誌「おもしろブック」(少年ブッ

ク)に1954年9月〜1955年4月まで連載されています。


また、北村寿夫原案のテレビ時代劇「風小僧」(主演、目黒祐樹、山城新伍)は、この「紅孔雀」に登場す

る“風小僧”のキャラクターをもとにして制作られたようです。(「風小僧」めんこコーナー参照)

 

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