少年猿飛佐助

 

  少年猿飛佐助 

「白蛇伝」に続く東映動画スタジオの長編アニメーション映画第2作目で、原作は檀 一雄の同名小説「少

年猿飛佐助」(読売新聞連載)。初のシネマスコープ版で製作され1959年12月に劇場公開されました。


時代劇というきわめて日本的な題材であるにもかかわらず、1960年にベニス国際映画祭児童映画部門グ

ランプリを受賞するなど海外でも高い評価を受け、アメリカにも配給されています。

映画産業の一角においてアニメーション映画の安定的な地位と可能性を獲得した記念碑的な作品です。

制作にあたり使用した特徴的な技法は“ライブアクション”で、里見浩太郎と丘さとみの演技を撮影しアニ

メ化しています。

演出監督は、「ひょっこりひょうたん島」「白蛇伝」の藪下泰司と、「白蛇伝」の原画と「少年猿飛佐助」

の原画も担当した大工原 章の二人。また、大工原 章はアンチ・ディズニーを目指した「わんわん忠臣蔵」

や「アンデルセン物語」の作画監督でもあります。


声の配役 : 猿飛佐助(宮崎照男)、真田幸村(中村賀津雄)、おゆう(桜町弘子)、おけいちゃん(松島

トモ子)、三好清海入道(岸井 明)、戸沢白雲斎(薄田研二)、夜叉姫おもん(赤木春恵)、山風の権九

郎(吉田義夫)、ばったの三次(堺 駿二)、おけらの金太(伊東亮英)、門番(岸田一夫)、他。


信濃の国の山里で山の動物たちを友達に佐助少年は、姉おゆうと二人で楽しく暮らしていた。ある日、子鹿

のエリが大ワシにさらわれ、沼に投げ込まれてしまう。助けようと沼に飛び込んだ母鹿は身代わりとして沼

に棲む巨大な山椒魚のえじきに…。山椒魚は妖術使い“夜叉姫”の化身だった。

佐助は仇討ちを決心し、妖術を打ち破る術を習得するため、戸隠山に住む仙人・戸沢白雲斎に弟子入りする

。辛い修行に耐え、佐助は忍術の奥義をきわめる。そして3年ぶりに山を下りた佐助は、折りしも山賊を追

う上田城の若殿・真田幸村と出会い、ともに山賊退治に向うことに。しかし、姉のおゆうを人質に取られ、

佐助は山賊と手を組んだ夜叉姫に手が出せない。間一髪、幸村によっておゆうは救われ、夜叉姫と佐助は互

いの術で対決する。妖術と忍術、すさまじい闘いの末、夜叉姫は白骨と化し、バラバラと崩れ落ちてゆく。

 

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