電送人間

 

  電送人間

「電送人間」は東宝製作の映画で1960年4月に劇場公開されました。「美女と液体人間」「ガス人間

第1号」と並ぶ、東宝特撮「変身人間シリーズ」の一作で、監督は福田 純、特撮・円谷英二。

人間を電送する映像シーンにはアニメーションの技術をもちいた手作業の合成テクニックが使われたそう

です。

監督の福田 純は、1946年東宝に入社し、助監督を経て1959年「恐るべき火遊び」で監督デビュ

ー。この「電送人間」は第二作目の映画監督作品でした。

当時としては難度の高い作品で、二作目の監督作品としては、かなり思い切った挑戦だったと思われます

が、この作品がその後の監督福田 純の映画人生に幅を拡げることになったのかもしれません。


主演の鶴田浩二は、福田 純が助監督時代からの親友であり、彼の監督昇進祝いのつもりで出演したとの

事です、義理人情に厚い鶴田浩二らしいエピソードですね。鶴田浩二35才、福田 純37才の時でした。


福田 純の以降の映画監督作品は、青春映画の「若大将シリーズ」や特撮映画の「ゴジラシリーズ」など

を始めアクション映画やコメディ映画、またテレビドラマ「泣いてたまるか」「西遊記シリーズ」など多

彩なジャンルに亘り監督として名声を博しました。


出演、桐岡 勝(東都新報記者)/鶴田浩二、小林警部/平田昭彦、中条明子(日邦精機OL)/白川由

美、中本伍郎(須田兵長)/中丸忠雄、岡崎捜査主任/土屋嘉男、大西社長/河津清三郎、滝/堺左千夫

、隆 昌元/田島義文、三浦博士/村上冬樹、仁木博士/佐々木孝丸、丸根刑事/山本廉、本田次席/佐

田 豊、志村/松尾文人、源三/瀬良明、音吉/大村千吉、大野/中山豊、給仕/西條康彦、警視庁部長

/向井淳一郎、呼び込みの親父/沢村いき雄、多摩川園園長/土屋詩朗、海南貿易社員/天本英世・桐野

洋雄・広瀬正一、スリラーショウの客/児玉清・上村幸之・熊谷二良・記平佳枝、他。


遊園地でブローカーの塚本という男が銃剣で刺殺されるという事件が起こったが、犯人の姿は確認出来な

かった。第二の殺人は事件を追う桐岡記者の目の前で起こり、桐岡はさらに興味を深めていった。

桐岡は、軍隊時代に二人の被害者と同じ隊にいたという大西と滝を訪ねて、意外な事実を知った。終戦の

時、軍の科学者仁木博士とその研究書類の隠匿を命ぜられた大西、滝、隆、塚本の四人は、書類と偽って

金塊を隠したが、それに気づいた博士と護衛の須藤兵長を生き埋めにした。しかし一年後、二人の死体は

金塊もろとも消え失せていた。博士と須藤は今も生きており、殺人は須藤の復讐であると残った二人はさ

とった。桐岡は物質転送を研究する仁木博士が、殺害された被害者と犯人須藤を繋ぐカギであることを知

る・・・・・。 

この作品は、物質転送装置を使って復讐を繰り返す男を描いた怪奇スリラーです。

 

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