隠密剣士

 

  隠密剣士

「隠密剣士」は、「月光仮面」や「豹の眼」を製作した宣弘社で、監督も同じ船床貞男、主役も大瀬康一

による作品で、大瀬康一にとっては3度目の主役の座でした。放映は1962年10月〜1965年3月

まで全10部128話を東京放送(現TBS)により放映されました。


出演、秋草新太郎/大瀬康一、霧の遁兵衛/牧冬吉、風魔小太郎/天津敏、周作/大森俊介、鬼場陣十郎

/勝木敏之、その他出演者/小林重四郎、三島 謙、石川竜二、灰地 順、種村正、梅沢薫、安田隆久、

森正樹、橋田勝、吉田義夫、中野 宏、森下 明、岩井錦吾、川口武夫、切詰武久、木南清、友田輝、陶

 隆、北見治一、里木三郎、宮久井一朗、赤尾関三蔵、川部修詩、西朱 実、立花伸定、佐藤公明、小浜

幸夫、伊藤智章、清家丹三、林 寛二、大竹タモツ、瑳川哲朗、他。


大瀬康一の初主演「月光仮面」当時21歳から4年後の25歳〜27歳の主演でしたが、当初、時代劇は

初めての演出で、剣術は不慣れでしたが猛練習により有段者の太刀さばきといわれるほどになったそうで

す。「隠密剣士」は、宣弘社の「恐怖のミイラ」(1961年7月〜10月日本テレビ放映)に次ぐ作品

で、宣弘社にとっても時代劇の製作は初めてでした。

第一部は、本格的な時代劇を目指しましたが人気上がらず視聴率が低迷、そこで第二部より忍者路線に変

更したところ、これがヒットし忍者ブームに火が付きました。毎回登場する特異な数々の忍者に対し苦戦

しながらも最後には勝利を収める大瀬康一演じる秋草新太郎に子供ならずも大人までも引き込まれ、家族

で楽しめる一大娯楽時代劇へと変貌し全128話の長期に亘る人気番組となりました。

また、この「隠密剣士」には、「快傑ハリマオ」で主役を務めた勝木敏之が悪役で松前藩の鬼場陣十郎役

として出演しています。

大瀬康一の「隠密剣士」シリーズは最盛期には40%近い高視聴率を記録しましたが、1965年3月で

終了し(放映期間2年6カ月)、引き続き、林 真一郎の「新・隠密剣士」がスタート。牧 冬吉の霧の遁

兵衛は継続して登場しましたが、前作ほど人気を得ることはできませんでした。

そして、その8年後にはリメイク版の「隠密剣士突っ走れ」荻島慎一主演を放映、「新・隠密剣士」の視

聴率低迷を挽回すべく怪奇アクション色を強め、近代兵器も登場させましたが、すでに忍者ブームは過去

のものとなっていました。


「隠密剣士」あらすじ、第11代将軍家斉の腹違いの兄である松平信千代が、秋草新太郎と名乗り、公儀

隠密として日本各地を巡る旅をします。第一部は蝦夷篇で幕府の財政建て直しのため、老中松平定信から

豊かな産物を有する蝦夷地を調べる依頼を受け蝦夷地へ向かいますが、行く手を松前藩の懐刀・鬼場陣十

郎が秋草新太郎の命を狙うべく待ちうけています。忍者路線に変えた第二部からは、幕府安泰を脅かそう

とする数々の忍者との闘いが繰り広げられることになって行きます。


その後、大瀬康一の「隠密剣士」は、「ザ・サムライ」というタイトルで海外でもヒットしオーストラリ

アや東南アジアで絶大な人気を集めたそうです。

大瀬康一が1965年にオーストラリアのメルボルン空港に降り立った時には、前年に訪れたビートルズ

よりも出迎えのファンが多かったとのことでした。


 

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